〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第31章 〖V.D企画〗甘い恋人-家康編-❀徳川家康❀
「美依、おはよう」
「うん、おはよう……」
「身体、辛くない?」
「少しだるいけど、大丈夫…くしゅっ」
美依が身体を震わせ、小さくくしゃみをする。
冬の物置、暖を取るものもなく……
いくら毛布があったとは言え、風邪を引かせたかな。
そう思って、俺は美依の細い肩に腕を回し、抱きすくめた。
昨夜の名残か、美依はまだ肌が少し熱い。
それとも、やっぱり風邪を引かせてしまって、肌が熱いのか?
「寒い?」
「家康がこうしてくれてるから、あったかいよ」
「広間で、軍議を兼ねた朝餉をみんなで取るんだって」
「あ、そうなんだ」
「行けそう?」
「うん……でも」
すると、美依はふわりと俺に腕を回してきて。
なんだか幸せそうに笑むと、耳元でぽつりと言った。
「もう少し…こうしてたいな」
ふわふわと微睡む美依は、馬鹿みたいに可愛くて。
二人で朝餉に向かうのが遅くなってしまったのは、言うまでもない。
甘い甘い、俺の恋人。
蕩けるほどに温かく、そして桃色の肌は砂糖菓子のように柔い。
俺はその甘い罠にハマった蝶々だ。
今日も触れ合って、溶け合って。
それは甘味のように口で蕩ける。
────もう、絶対離さないよ
『ばれんたいんでー』は気持ちが繋がる日。
繋がったなら愛し合って、そして夢見る。
最高に甘く、とろとろに蕩ける極上の蜜夢を。
今日も俺を虜にさせて。
美依が居れば、溺れるのも悪くないから。
俺だけの可愛い天使。
誘う夢は、熱い微熱を孕んだ淡い薄紅。
《〖V.D企画〗甘い恋人-家康編-》
終