〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第29章 《桃源郷物語》欠片-kakera-❀伊達政宗❀
刹那、指を咥えこんでいる中はぎゅうぎゅうに締まり、搾り取るように波打つ。
やがて────…………
美依が脱力しながら息を荒らげると、締まった中も緩み。
くぷんっと指を抜いた瞬間、大量の蜜が溢れ出した。
「潮を噴きながら達するって、どんだけだよ。本当に感度いいな、お前」
くすくす笑って絡んだ蜜を舐めていると、美依が恨めしそうな目でこちらを睨んできた。
真っ赤に潤んだ瞳。
顔は高揚し、息は荒く、その煽情的な表情は、情事そのものを表していて。
またこっちを煽っているのだろうか?
「な…んで、こんな事っ…するの……?」
ようやく起き上がり、絞り出された言葉は愚問だった。
なんでって面白そうだからに決まっている。
美依を犯して、最大限に快楽に溺れさせて。
その濡れ悶える様を見たいだけだ。
「だって…興味あるだろ?」
「は……?」
「お前、男知らなそうだから、気持ち良くなったらどんな反応するか気になる。今日ここへ連れてきたのは、それを確かめる為だし」
「何それ……だって万華鏡を見せるって……」
「嘘に決まってるだろ、面白そうだからな。実際…お前の感じる顔はゾクゾクした。久しぶりにこんなに気持ちが高ぶったな」
────パチーンッッッ!
その時、頬を走った痛みに目を見開いた。
思わず美依に目を向けると、手をふるふると震わせ、唇を噛み。
真っ赤に潤んだ瞳からは、一筋の涙。
心底傷ついたと言う顔をして。
────美依に、殴られた。
そう、やっと理解が出来た時。
美依に触れようと、無意識に手を伸ばしていた。
「…っ、触んないでっ……!」
頬に触れようと伸ばした手は、振り払われ。
行き場を無くして、宙を彷徨う。
────美依に、拒絶された。
頬の痛みと共にやって来た感情は。
そんな殴られた部分より。
何倍も、何百倍も、痛かった。