〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第29章 《桃源郷物語》欠片-kakera-❀伊達政宗❀
美依は男に疎い。
少し触れただけで真っ赤になるし、軽く口付けただけで、すぐに怒って逃げる。
生娘って訳ではないだろうが、あれは明らかに男を知らない。
なら──……
その初心な身体に、男と言う名の快楽を教えたら。
どんな風に顔を歪めて悦ぶだろうか。
興味がある。
その無垢な身体が濡れて、悶える時。
どんな顔をするか。
どんな声で啼くのか。
────俺がたっぷり教えてやる
これは恋じゃない。
俺はただ、楽しい事が大好きなだけだ。
「…っ!ま、政宗っ……!」
顔を真っ赤にし、瞳を潤ませて睨んでくる美依を、政宗は面白半分で見つめた。
美依をからかうのは楽しい。
今だって、少し唇同士が触れただけで、この様子だ。
政宗は可笑しそうにくくっと笑い……
美依の顔を覗き込んだ。
「あーあ、真っ赤だな、林檎みてぇ」
「……っ!政宗が変な事するからっ……」
「お前はほんっとーに男慣れしてないな」
「こんなの、慣れないよ!べ、別に良いでしょ」
(いや、良くない。それ以上、手が出せないだろ?)
美依には、かなり興味があった。
理由は反応が新鮮すぎるから。
新鮮すぎて、ものすごく可愛いから。
可愛いものを愛でたいと言うのは普通の感情で。
それは、恋だったり愛だったり。
そんな感情からは、かなり程遠い。
もっと手を出したいと言う感情も。
美依への興味本位からでしかない。
(だって、もっと手を出したら…すげぇ面白い反応しそうだからな)
政宗は美依の火照った顔を覗き混みながら、その滑らかな頬に指を滑らす。
すると、びくっと美依の肩が大袈裟なくらいに跳ね上がった。
それを見て、また笑いが込み上げる。
一体……どれだけこちらを楽しませれば気が済むのか。