〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第25章 白雪-sirayuki-《恋情編》❀真田幸村❀
「じゃあ…今夜、宿を取るから来いよ」
美依が小さく震えるのも構わず、背中を撫で。
そして、言葉を続ける。
真っ赤になった耳元で。
「長屋は壁が薄いから…お前の声が漏れたら大変だろ?」
「幸村、それって……」
「抱かれろって言ってんの」
「……っっ」
「……嫌?」
すると、美依は小さく首を横に振り。
真っ赤に可愛く頬を染めて……
小さな声で『いいよ』と呟いた。
────ひらり、はらり
雪の華が空から舞い散り。
町を銀世界に染めていく。
白一面の筈なのに……
俺の心は色鮮やかで。
煌めく炎が燃えている。
きっとこれから訪れるであろう甘い一夜を思って。
馬鹿みたいに浮き足立っているからだ。
愛しい女と肌を重ねられるなんて。
(───………すげー幸せだな)
紅、燃ゆる白雪。
染まって浮かされ、焔のように。
幸せなひと時に思いを馳せながら。
小さな愛しい温もりを強く抱き締めたのだった。
《白雪-sirayuki-〖恋情編〗》終
《白雪-sirayuki-〖蜜夜編〗》に続く──……