〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第24章 カンタレラに久遠の蜜謳を《後編》❀上杉謙信❀
「────なら、誓え、美依」
俺は美依の瞳を覗き込みながら。
少し、皮肉混じりに言った。
「俺に囚われたままでいると、二度と傍から離れぬと。少しでも違えてみろ、またお前を手枷に繋ぐぞ?」
「謙信様が傍に居れば離れません。謙信様こそ離れたりしたら、私が縛っちゃいますからね?」
「俺はとっくにお前に縛られている、離れる訳が無いだろう」
「なら、大丈夫です。誓えます」
「お前と言う女は……」
「ふふっ、私だって言う時は言いますよ」
「なら、その口……今すぐ塞いでやる」
────甘い、甘ったるい美依の熱は
きっと毒薬のように俺に回り。
いつしか中毒になって、俺を殺すのだろう。
あの牡丹雪のように白く、快いほど甘美な毒薬として。
きっと手枷の片方は俺に。
もう片方は、美依に。
お互いがお互いを捕らえ合って。
そして、世界を見る。
同じ世界見て……生きて行く。
熱を分け合い、毒を宿して溺れて。
それでも俺達は、眩暈がする程に
『愛している』と囁くのだ。
その日は、牡丹雪が降っていた。
白く染まる世界を背けて。
俺達は、いつまでもいつまでも。
鮮やかな色濃い蜜時に囚われていった───………
《カンタレラに久遠の蜜謳を〖後編〗》
終
✿...*゚すぺしゃるさんくす
まおー様