〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第21章 俺的四つ葉の幸福論《生誕記念》❀徳川家康❀
どぴゅっ!びゅくびゅくっ!ごぷごぷっ……!
「ぁあっ…美依っ…美依……!」
「家康っ…中…ぁあっ……!」
「もっと、欲しい……?言って、美依っ……」
────本当に、参る
そうやって素直に頷くから。
どんなに愛しても、止まらなくなる。
与えて満たされ、そして飢えていく。
でも、贈り物を貰ったお返しは、返しても返しても、返しきれないから。
だから……愛し続けるしかないでしょ?
「いえやすぅ…大好きっ、大好きぃ……!」
「俺も、愛してるよ、美依っ……!」
俺達は馬鹿みたいに求め合って。
そして、その年の誕生日は過ぎていった。
いつもと変わらない、夜の俺達。
でもいつもより……無理させたかな。
睦月の冷たい空気は色濃く漂い。
そして、それは幸せの絶頂だと。
俺は、自分でも呆れる程の激しさで。
こんな夜を続けていくと、確信したのだ。
────…………
「家康、早く早く!ここにいっぱいあるよ!」
はしゃぐ美依を追いかけて。
俺は苦笑しながら、足を早めた。
暖かくなれば、芽吹いて綺麗な花が満開になる。
いつしか美依と訪れた野原も。
卯月の今日は、野花が咲き乱れていた。
今日は美依と再度挑戦する。
それは何か。
まぁ、察しはつくだろうけど。
「今日は見つかるといいね、四つ葉」
「うん、頑張る!」
「あんまり無理しちゃ身体に響くよ?」
「大丈夫、そんなに弱くないよ」
美依はニコッと花のように笑い。
力強い口調で、俺に言った、
「私達の子どもなんだからね!」
(……なんかもう、母親の顔だな、美依)
美依に宿っている、小さな命。
それが解った時。
幸せの絶頂にいると思った俺を、いい意味で裏切った。
未来へ繋がる『種』は。
確かに根付いて、そして。
新たな幸せの連鎖を生んだのだ。