〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第21章 俺的四つ葉の幸福論《生誕記念》❀徳川家康❀
徳川家康様
家康、お誕生日おめでとう!
私から貴方に贈り物を用意しました。
手掛かりから辿って、
ぜひ、見つけ出して下さいね!
これを読んだら光秀さんを探してください。
居る場所の手掛かりは
『私達が恋仲になって初めて逢瀬をした場所』
貴方が無事に終着地に辿り着けますように。
────美依
(……なんだ、この文)
睦月末日の、寒い朝……
朝起きてみると、枕元に文。
それを読んで、俺は頭を捻っていた。
お誕生日おめでとう。
そうだ、今日は俺の誕生日だった。
文を読んで、改めてそれに気がつく。
昨夜だって、いつも通りに美依を抱いて過ごしたし、特別に誕生日を意識してはいなかった。
まぁ、美依は今日を楽しみにしていた様子はあったけれど。
……その美依は、どこに行ってしまったんだろう
(なんか、謎解きみたいだな、手掛かりを辿って贈り物を見つけるなんて。初めて逢瀬をした場所……)
むっくりと起き出し、着替えをしながら頭で考える。
俺と美依が初めて逢瀬をした場所。
そこに光秀さんが居て、贈り物を持っているのか。
……なんか予感的に、それじゃ終わらない気がする。
美依と訪れた場所は、一つたりとも忘れずに覚えている。
特に、初めて逢瀬をした場所なんて。
そんなの、忘れる筈がない。
美依が喜ぶ場所を一生懸命考えて。
それで決めた場所だったから。
(こんな回りくどい事しないで、普通に美依が居るだけで俺はいいんだけど…でも折角だから付き合うか)
美依の事だ。
これを準備するのにも、わくわくしながら頑張って準備したに違いない。
それは無下には出来ないから、乗ってやろう。
今日は美依の為に、一日休みにしたし。
そう思って、俺は苦笑を漏らした。
美依には甘いんだよな……と思いながら。
────こうして始まった今年の誕生日
美依が用意してくれた、その誕生日は。
心が温かく、ほっこりするような……
そんな一日になる予感がした。
────…………