〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第17章 櫻花に夢見し君想ふ ❀織田信長❀
────愛する美依に、全てを捧ぐ
必死に生きてこそ、
その生涯は光を放つ。
それは眩しく、瞼を焼く程に。
美依が居れば、この世は光。
温め、温められ、そして。
幾年月過ぎようと、それは変わらない。
紡ぐ想い、染まり出す迎春。
春の香りはそこまで来て……
そしてまた、芽吹く華を愛でる。
「美依っ…はぁっ…美依っ……!」
「のぶっ…様ぁ…んっっはぁ…ぁあっ……!」
「愛している、美依…受け止めろ、俺の熱を……!」
そして注ぐ、未来へ繋げと。
いつか……俺達の愛の結晶が宿ったとしたら。
また俺は、こうして囁くのだろう。
熱を帯びた想いを馳せて。
愛する者への歓びを。
謳歌するが如く、風に乗せて……
『美依、明日は海へ行くか』
『はい、行きたいです!』
『その身体で起きれられると申すか』
『起きるんです、海見たいですから』
『ふむ…姫始めはぬるかったようだな』
『え?』
『まだ、起きられるのだろう?』
『今年も責任もって愛されろ、美依。貴様がこの俺を虜にしているのだからな。ぬるいと言うなら、愛でるまでだ。その躰にしっかり焼き付けておけ…貴様を愛する男の熱を。それからはもう逃げられん、幾年月過ぎてもな』
そして、巡る。
迎春も、美依を愛して過ぎていく。
(ああ……今年も良い年になるな、美依が居れば)
謹賀新年。
新たな年に喜びを、謹んで申し上げるは美依への愛。
熱情冷めやらぬ、焦がす想いは赤裸々に。
寒桜の花弁の如く、色づき鮮やかに染まって、心の奥底を温めゆく───………
《櫻花に夢見し君想ふ》
終