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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第16章 SEKIRARA ー秘密の言葉はお前の為にー❀明智光秀❀





「父様、きっと母様は大丈夫」




光秀の御殿。
花月は脇息にもたれ俯く光秀に、声を掛けた。

光秀は、その言葉に小さく笑んで、花月の頭を撫でる。

そして、幾度目かのため息をついた。
その時。



ぱたぱたと廊下を走る音が聞こえ……



光秀と花月の居る部屋に、女中が顔を見せた。

女中は額に玉の汗を浮かべ。
しかし清々しく、ニコッと笑い……

優しい声色で、二人に言った。








「美依様そっくりのお姫様ですよ、おめでとうございます!」








途端。
花月の顔が、まさに花のように綻んだ。

光秀は咄嗟に花月を抱き上げ、そして女中に言う。




「松、すぐに美依には会えるのか?」

「はい、母子ともに元気ですよ!」

「そうか、行くぞ花月、母の所に」

「うん!」




そのまま小走りで部屋を出ていった二人を見送り…
松と言われた女中は、ふふっと笑って呟いた。








「あらあら……幸せそうなお顔でしたね、光秀様。あんなお顔にさせるとは、さすがは美依様。本当に…羨ましくなるほど、いいご夫婦ね」








そして、急いで二人の後を追う。

それは、もうすぐ夏に差し掛かる……
そんな梅雨の一日だった。





















────この幸せをなんと呼ぼう


繋がる想いは永遠に。
朽ちる事無く、受け継がれ。


そして、また新たな命の息吹を生む。


光秀は腕に、その愛しさを抱き締めながら。
愛する妻に『ありがとう』と。


最上の感謝を込めて、その額に口づけを落としたのだった。








《SEKIRARA ー秘密の言葉はお前の為にー》

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