〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第15章 胡蝶ノ蜜夢《後編》❀家康 × 三成❀
『光秀さん、なんですか、これ』
『お前が落とした香水の代わりだ。わざわざ似たようなのを買ってきてやったんだ』
『わぁ、ありがとうございます!』
『良かったな、美依。今度は落とすなよ?』
『うん、秀吉さん。すごい綺麗、色までそっくり!これはどんな香りなんだろう』
『折角だ、付けてみろ』
『はい!……あれ、これ何も香りませんよ、光秀さん』
『そうか?ものすごくいい香りだぞ、なぁ秀吉』
『ああ…そうだな』
『ものすごく…疼くような、いい香りだ』
────蜜なる秘め事は、秘密の淫事
秘密に密かに、
艶やかに咲かせましょう。
芳しい香りを漂わせる蜜華は、今日も無垢に。
無自覚に香っては、淫らに誘い出し。
囚われた蝶々が群がれば、秘密の時間の始まり。
それは、夢か幻か。
私は華か、それとも──……?
「あっ…ぁあぁっ…んっっだめぇ……!」
昼下がりに響くは、甘美な啼き声。
赤く染まった躰を晒し。
蜜なる淫事の訪れに。
今日も溺れて、花びらを広げゆく────…………
《胡蝶之蜜夢〖後編〗》
終