〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第13章 Xmas SS 〜白い聖夜の天使は君〜 ❀光秀&家康❀
「光秀さん!?しかもなんですか、その格好…!」
クリスマスの夜。
安土城の自室に現れた光秀に、美依はびっくりして素っ頓狂な声を上げた。
勿論、光秀にとっては、そんな事は予想内。
にこにこと妖しげな笑みを浮かべたまま、美依の頭を撫でる。
「めりーくりすますだ、美依」
「え?」
「お前が言ったんだぞ?今日の『くりすますいぶ』には『さんた』とか言う奴が贈り物を持って現れると」
「だ、だからって…うぷぷ」
美依は堪えきれなくなり、思わず手で口を覆って苦笑を漏らした。
赤い服に、赤い帽子。
白い袋を持って、白いヒゲまで付けて……
確かに光秀にサンタの絵まで描いて、どんな風貌をしているか、昼間に説明した。
だからって、そんなに忠実に再現しなくたって。
「何がおかしい、お前のためだろう?」
「あはは、そっか……ありがとうございます」
「まったく涙目になって笑うとは…まぁいい、お前に贈り物を持ってきてやったぞ」
「え?」
光秀はそう言うと、その大きな白い袋から包みを取り出し。
次々に畳の上に置いていく。
その数ときたら、部屋が一角埋まってしまう程で。
無限に袋から包みを取り出す光秀に、美依は慌てて声を掛けた。
「み、光秀さん、それ全部ですか!?」
「そうだ、全部お前への贈り物だ」
「なんでこんなにいっぱい……!」
「仕方ないだろう、選びきれなかったんだ」
「え?」
「お前にやりたい物が色々あり過ぎて、一つに絞れなかった。なら、全部贈ればいいと思っただけだ」
袋が空っぽになったのか、その袋を折り畳むと。
贈り物の山の中に居る光秀は、自分の口元に付いているヒゲを取り外す。
その唇は満足そうに笑んでいて……
その得意気な笑みに、何故か愛しさを覚えて、美依は小さく笑ってしまった。
「ふふっ、光秀さん、ありがとうございます」
「嬉しいか?」
「はい、とっても!でも、なんかいっぱいあり過ぎて、申し訳ないな…私からも何かお返しさせてください」
美依が笑って言うと、光秀はくすっと笑い…
美依の瞳を覗き込んだ。
そしてそのまま、やたら色気を帯びた口調で美依に尋ねる。