〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第97章 鈍色ラプソディ❀豊臣秀吉❀
「ほら、もういいから……な?」
「でも、だんだん濡れてきて……」
「っ…それは解ってるから言うな」
やんわりと止めようとしても、美依は変わらず熱に触れ、それを握ってきた。
そのまま上下に扱きだしたので、直接的な悦が伝わって思考回路まで麻痺し始める。
手が動く度、にちゅにちゅと酷い音が響き、我慢している露がだらしなく流れては美依の指を濡らして……
(ああもう………!)
美依との約束を守りたい。
俺はお前に優しくしたいんだ、だから。
一線を切れさせることなく、お前をもっと愛させてくれ。
「あっ……!」
俺は強引に美依の手を昂りから離させると、そのまま躰を褥に組み敷いた。
ぽすっと軽い音がして、美依の背中が布団に着く。
上から見下ろすと、美依はまた煽情的な目で見上げてきて……
『秀吉さんが欲しい』と訴える視線に、またくらっと目の前が揺れた。
「……言うこと聞かないと、優しく出来ないぞ?」
「っ……でも」
「でも、じゃない。お前は俺を煽ってる自覚はないのか?すごい欲しがりの目になってるぞ」
「……っ秀吉さんが欲しいもん」
─────ぷつっ
あ、切れたな、これ。
美依の一言で、多分。
今まで一生懸命保ってきたのに。
こいつは閨になると、とんでもなく可愛くなるのか。
……それって、反則だろ?
頭の中に閃光が走る。
まるで、堪えていたものが弾けるように。
真っ赤に染まる白い肌、
少し汗ばんで滴が伝って、
ぷんと鼻につく甘い匂いも、
柔らかい感触も、
ああ、俺───………
夢にまで見た瞬間が現実になると、
やっぱり、自制なんて効かないんだ。
「もっと欲しがれ、美依」
「秀吉さ……」
「一晩中でも、明日丸々一日でも、いくらだってくれてやる」
「あ……」
美依の脚を開かせ、膝裏を押さえ付けると、美依は俺を見て喉を鳴らした。
生唾飲むほど欲しいのか?
お前は随分いやらしいお姫様だったんだな、純朴な外見に隠れて全然解らなかったが。
だったら、望み通りにくれてやるだけ。
この反り立つ欲望は、いくらでも使い物になるのだから。