〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第10章 聖戦!HONEY*NOEL ❀信長END❀
『美依自身が、げぇむの景品』
例えばそうだとして、げぇむに勝って、
美依を手に入れたところで、美依自身は納得するか?
多分、嫌がるだろう。
『私は物じゃありません!』
そう言って、愛らしい瞳を釣り上げる筈だ。
だが、それを従わせるのも、また一興。
甘く熱く蕩かして……
自ら差し出すようにしてやる。
美依、貴様を愛している。
今日が聖なる夜ならば───…………
それを甘く鮮やかに、色を付けてやる。
(……あれ………?)
ふわふわとまぶたを開けると。
そこには見慣れない天井があった。
顔と身体が、火照って熱い。
気がついてみると、身体は柔らかな布団に沈み……
額には、水で絞った手ぬぐいが置かれてあった。
むくりと起き上がり、いつの間に布団に寝たんだっけと考えて……
ひとつの考えに行き当たる。
先程クリスマスパーティの最中に、酔っ払って。
そして、寝てしまったのだと。
(やっちゃった、誰が運んでくれたんだろ……?)
朧気な意識の中、誰かが運んでくれた感覚はあった。
大きな手、温かい腕。
もたれ掛かる胸は、トクントクンと熱い鼓動を打ち。
そして、熱っぽい瞳が見下ろしていた事も。
それを思い出すと……
何故か心臓が高鳴ったのが解った。
ここは、その人の部屋なのか。
一体ここがどこなのか、見当もつかない。
「……起きたか、美依」
その時。
聞き覚えのある、威厳のある声と共に、部屋の襖が開かれた。
その声に、ハッとなって襖の方を見ると。
艶やかな黒髪、紅玉の瞳を携えたその人が、開かれた襖に寄りかかってこちらを見下ろしていた。
「信長様……」
「……気分はどうだ」
「えぇと、大丈夫です……」
まさかの信長様に戸惑い、しかも気遣われて、思わず信長様を下から見上げる。
信長様がここにいると言う事は、運んでくれたのは信長様で、きっとここは天主のどこかで……
(信長様の手を煩わせるなんて、なんて事をしたんだろ……!)
そんな事を思って、火照る頬に手を当てる。
すると、信長様がさも可笑しそうにくくっと笑い……
褥の隣にしゃがみこんで来た。