〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第95章 花盗人と籠の白百合《後編》❀伊達政宗❀
────繋いだ手の指絡めて
どこまでも、どこまでも一緒に歩こう
外の世界は鮮やかで眩しい
煌り光る世界を、お前となら──……
どこまでも生きたいと、そう思う
「美依、返事は?」
「……っはい」
「ん、いい子だな」
「これからよろしくね、政宗」
「おお、じゃあ御殿に行くか」
「うんっ!」
そうして、笑みを絡めて
口づけをひとつ、軽く交わす
それだけで生まれる愛しさは──……
これからの未来を極彩色に染めて
俺達を待ち受けているのだろう
出会い惹かれるのは必然
運命の歯車が噛み合った時、
華開いた恋は、今日も俺を焦がす。
美依と手を繋いで、御殿へ向かう途中……
たわいない話をして、笑いあって、それは緊迫感のない緩い『かっさらい』の一時だった。
でも、そんな時間が愛おしい。
これからもこのいつまでも純で可愛いお前に、内心かき乱されたりしながら、日々を過ごすのだろう。
籠の中の花は、魅惑の花だった。
今日も明日も、
お前に翻弄されながら──……
花盗人は、白い百合を心から愛でる。
花盗人と籠の白百合
了
*この作品をI様に心より捧ぐ