〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第89章 菫色の指切り-貴方が教える×××-《前編》❀石田三成❀
「三成?」
「……美依様に会わなくては」
「……」
「秀吉様は知ってるかもしれませんが…」
僅かに口角を上げて、秀吉様を見る。
そう、私は───………
「あの方が思う程、優しくはないのですよ。
───……私も、欲に塗れた男ですから」
薄紫の花が揺れる季節。
そんな中交わした、貴女との『約束』は…
貴女を守るためだった。
けれど、それは違ったのかもしれない。
もう気持ちを隠しておけないから…
その『約束』を交わすことで、貴女と少しでも繋がっていたかったのかもしれない。
だって、約束を破った時には──……
燻った想いが、たちまち燃え上がる。
まるで身も心も焦がすように……
灼熱の恋情が、紅に燃えていく。
ユ ビ キ リ
ゲ ン マ ン
嘘 ツ イ タ ナ ラ──……
私はその想いを抱えたまま、あの方の元へと急いで歩を運んだ。
一歩踏み出す程に焦げる熱情は、私を突き破って溢れてしまいそうで…
それを堪えるのに必死になる私は、もう周りの全てが冷静に見られなくなっていたのだった。
菫色の指切り-貴方が教える×××-
《後編》に続く────…………