〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第88章 Dear…《後編》❀豊臣秀吉❀
親愛なるお前に、
溢れんばかりの愛を注ぐ。
いつまでも冷めない熱情を、
俺の中に灯してくれた火を、
精一杯の想いを伝えていく。
愛してるよ
誰よりも、何よりも
俺の、唯一の女だから。
『秀吉さん』
『なんだ?』
『……愛してるよ』
『ああ、俺もだ』
夫婦の在るべき形の正解なんて、
俺には解らない。
でも──……
『愛してる』って。
それだけでいい。
二人だけの関係はいつしか壊れたけど、
もっと大切なものは手に入れた。
お前と、俺。
父親と、母親で。
一人の男と、一人の女。
いつまでもそれは忘れず、
想いを伝え合っていこうな?
俺の御殿がさらに賑やかになったのは、
次の年の夏だった。
またお前を独り占め出来ないって、
俺は苦悩するんだろうなぁ。
そんな苦笑も覚えつつ──……
今日も俺はお前という光に照らされ
家族と手を繋いで歩いていく。
時には喧嘩もして、すれ違っても
また同じ道に戻って…
きっと、顔を見合わせ笑うんだ。
煌(きら)り光る明日を目指して、
繋ぐ未来に、思いを馳せながら。
Dear…〖後編〗
了