〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第9章 聖戦!HONEY*NOEL ❀政宗END❀
(ああ、可愛い寝顔だな…いくら見てても飽きない)
美依争奪『びんご大会』での勝利を収め。
政宗はまんまと景品である美依を抱きかかえ、安土城の美依の自室へと運んだ。
美依はすっかり酒に酔って寝てしまい……
起こすのも可哀想なので、褥に寝かしてやる。
そのまま自らも一緒に褥の脇に横になり……
髪を梳きながら、美依の寝顔を堪能していると言うわけだ。
「本当に林檎みたいに真っ赤だな…頼むからもう少ししたら起きろよ?俺の我慢は、一晩は持たないからな」
苦笑しながら、今度は美依の頬を手の甲で撫でる。
白い滑らかな肌。
撫でても、一つも引っかかる所なんて無い。
可愛い可愛い美依。
ずっと…ずっと、ずっと好きだった。
だから、負ける訳にはいかなかった。
だが……もう美依は己の物。
それは周りだって認めるだろう、だって勝負して勝ち取ったのだから。
「んっ…んんー……?」
と、その時。
可愛らしい声を上げて、美依がその長いまつ毛を開いた。
きょろんと大きな黒真珠の瞳。
最初はふわふわしていたが、だんだん焦点が合っていき……
やがて、こちらの姿に気がつくと、少し掠れた寝ぼけ声を出した。
「政宗……?」
「おはよう、ねぼすけ。気分は悪くないか?」
「あ、れ…私、どうしたん、だっけ……!?」
目を白黒させながら、むっくりと起き上がる美依。
顔色はいいし、この様子なら、気分が悪いなんて事は無さそうだ。
一緒に身体を起こし、くすっと笑って……
美依のほっぺをむにぃっと摘む。
そして、そのもちもちの頬を伸ばしながら、苦笑混じりに言った。
「宴で、遊戯の最中に酔いつぶれたから、俺が運んでやったんだ」
「ひぇ……ひょうだったの?」
「ああ、感謝しろよ」
「まひゃむね、ありがとう……」
「遊戯は俺が見事に一番にびんごになったぞ。一位の景品は…確かお前と一日逢瀬権利券だったな」
頬から手を離し、そのまま顔を覗き込み、あえて『裏景品』を隠して言うと……
美依はちょっと恥ずかしそうに頬を染め、こくこくと首を縦に振った。