〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第84章 純愛イノセンス《前編》❀徳川家康❀
────思いの力とは計り知れないものだ
何かを願ったり、祈ったり
その思いが強ければ強い程…
それを実現する力があるのかもしれない
俺は『神様』とか『奇跡』とか
強くは信じてはいないけれど…
それでも、何かを叶える為に
強く思うのは有りだと、そう思う
『今』のあんたは何を思っているのかな?
俺はあんたと一緒になって、
初めて人生面白いと思えたよ
俺はどんなあんたでも愛してる
だから…傍に居て
俺だけの太陽
焦がれて止まない、俺だけの光
*****
「ぁっ…んんっ…いえ、やすぅ…!」
真夏でも、夜になれば涼しい。
そんな事を言ったのは誰だろう?
俺は涼しさなんて、微塵も感じられない。
むしろ、昼間なんかよりずっと…
芯から焦げていくみたいに、熱い。
それは、あんたを抱いているからだ。
あんたが溶ける程に火照っていて、
俺もあんたを求めて熱くなるから。
だから──……
真夏の蜜夜は、蕩けるほどに暑い。
「ほら、美依…こっち向いて」
「いえや、す……」
「とろとろだね、可愛い」
「んっ……」
褥にうつ伏せになる美依を首だけ振り向かせ、その唇を奪う。
とろりとした舌先が絡み合って…
甘さで麻痺した思考が、またさらに崩れるような気がした。
まだ躰は繋がっているし。
美依の中は気持ち良すぎて、何度だってその高みを見てしまう。
あんまり欲に流されすぎるのは、格好悪いと思っても。
仕方ないね、だって愛してるから。
今は恋仲の相手としてではなく……
────俺の、たった一人の妻として
「はぁっ…いえ、やすっ……」
やがて、堪能するだけ堪能して唇を離すと、美依がとろんと蕩けた瞳を向けてきた。
しまった、めちゃくちゃ可愛い。
美依が可愛いのは知っているが、この俺しか知らない美依の蕩けた顔は、本当に腰にくる。
現に──……
美依を貫いている熱が、質量を増したのを感じた。
多分、美依もそれを感じ取ったのだろう。
ビクリと躰を震わせ…
涙声になりながら、俺に訴えてきた。