〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第8章 聖戦!HONEY*NOEL ❀全武将VS❀
『今夜、クリスマスパーティをしますよっ!』
全てはこの美依の一言から始まった。
雪の降る、師走の安土城。
今宵は神の降誕を祝う、神聖なる聖夜。
だが、そんな事は丸っきり関係ない。
美依をこの手に出来るのならば、
どんなえげつない獣にでもなってやろう。
『絶対負けられない、美依は俺のものだ』
美依を賭けた、雪をも溶かす武将達の熱い『聖戦』が
今、幕を開ける────…………!!
「美依、随分ご機嫌で何やってるんだ?」
安土城の広間。
鼻歌まじりで、何やら楽しそうに準備をする美依に、秀吉は声を掛けた。
広間に武将達はすぐに集まってね。
そう美依からの言伝があり、我先にと広間に駆けつけた秀吉だったが……
その広間の光景に、思わず目を見開いた。
広間は何やら華やかに飾りつけをされていた。
くす玉やら、千代紙を切って作ったであろう鎖やら、雪の結晶に雪だるま……
それから、何か異国の文字が書かれた垂れ幕。
これから何が始まるのだろうと思っていると……
声を掛けられた美依が、秀吉の方に振り返り、花のような笑みを零した。
「ふふっ、みんなが来てからのお楽しみ!」
「おう、美依。来てやったぞ」
「……何この飾り、なんか祝い事でもあったっけ?」
そこに、政宗と家康もやって来る。
その後に続き、信長、光秀、三成も広間に顔を出した。
「何事だ、美依。貴様、随分浮かれた顔をしているな」
「ほぅ…こんな風に広間を飾りつけて、小娘に何か企みがあるようだ」
「美依様、これは一体……」
「みんな揃った!じゃあ座ってくださーいっ」
美依が満面の笑みで武将達を座るように促していると。
一番最後に、安土城では絶対見かけてはいけない人物が、ひょうひょうと顔を出した。
「美依さん、みんな揃った?」
その姿に、武将全員が釘付けになる。
驚いていないのは美依だけだ。
美依は、さも同然のようにふわふわと手を振り……
その人物をふにゃりとした表情を浮かべながら手招きした。