第4章 ◆ナンパと勧誘、お断り◆
「そろそろ諦めたらどうだ?ススキにその気はないんだし」
「キョンちゃん、もっと言ってやれ」
「はあ……仕方ありませんね」
「お、いやに素直だな」
「諦めてくれるの?」
「はい。あなたのことに関しては、それほど急ぐこともありませんから。涼宮さんの件が落ち着いた頃にでもまた、ゆっくりお誘いすることにします」
「「 誘わんでいい 」」
「ところで、話は変わりますが」
「お前もたいがい、人の話を聞かないやつだな」
「爽やかそうに見えて、けっこういい性格してるよね」
「お褒めに預かり光栄です。それでススキさん、今度の日曜はお暇ですよね」
「ちっとも懲りてねえ」
「だから、怪しげな機関には行かないって」
「違いますよ。そうではなく、僕と個人的にデートしませんか?と誘っているんです」
「………なに!?」
「……え?」
「機関や異世界人だということは抜きにして、君に興味があるんですよ」
爽やか笑顔でさらりとかる〜く出された言葉に、私のみならずキョンちゃんも、何故か朝比奈先輩までもが驚きに目を丸くする中、長門さんだけがいつもどおり、黙々と読書に勤しんでいた。
涼宮さんがいなくてよかった…と、心の底から思う。
ただでさえ混乱しているところをさらに引っ掻き回されて、とんでもないことになった上、最終的には収拾がつけられなくなったに違いないからね。
さてしかし、このお誘いをどうするべきか。
「………デート、は、しない」
「なら、美味しいお茶でも飲みに行きましょうか」
「………」
「ケーキはお好きですか?美味しくて安いところ、知ってるんですよ」
「……ケーキ……い、行きたい、けど」
「けど?」
「う……………2人きりじゃないなら、行く」