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【ハッピー・ファミリー】ハピファミ!

第11章 ハピファミ!11


【青年期1】□■ 果たされた約束と運命のケーキが導く先へ■□



新しい出逢い。

思いもよらぬ再会。

そのすべてが、過去から未来へ、ずっと繋がっていた。



ちまちまと興味のある分野の資格の勉強をしながらで始めた、新しい深夜のバイト先。

給料はいいしお酒も美味しいし、面接のときに会ったエナという名の従業員の女の子はカワイかったし、働けると決まったときはかなり喜んだものだ。


「今日からよろしくねぇ~、わたるちゃん!」

「はい。よろしくお願いします、エナさん」

「あぁん、エナって呼び捨てでいいのにぃ」

「すみません……癖でして、呼び捨てだと逆に喋りづらいんですよ」

「あら~、変わったクセ。残念だわぁ……でも可愛いから許しちゃう」


エナさんはどうやら、恋愛対象が同性な女性らしい。

顔はカワイイし胸はあるし腰はくびれているし、お尻もキュッと上がってるし足は細いし男にモテそうな容姿をしているのだが、本人は「男は嫌いよ」と明言している。

しかしどうして、こうも露出の激しい服装をしているのだろう。

とても可愛くて似合っているけれど、実は「下着」だと言われても信じてしまいそうなその格好は、目のやり場に困る。


「アハハ……で、あの。他の従業員の方は?エナさんだけってワケじゃないですよね」

「あぁ、そこでグラス磨いてる子が岡内ナオキ。真面目だし、悪いヤツじゃないわね」

「……オカウチ……ナオキ」

「岡内!あんたも挨拶くらいしなさいよ、ほらほら早く」

「ああ、今行く」


オカウチナオキ、オカウチナオキ、オカウチナオキ―――…聞き覚えのある名前に記憶を手繰り寄せながら、耳に心地良く響いた低い声の持ち主がこちらを向くのを見た。

後ろ髪の下部分のみカリアゲという特徴的な髪型で、なかなか整った顔立ちの青年だ。

……やはり見覚えはない。

けれど顔を覚えていないだけかもしれないと思ったところで、オカウチ青年がワタシの前まできた。
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