第2章 軽風
和奏以外の女子から何と思われようと興味ない。
怖がられてようが、嫌われてようが…
どうぞご勝手にって感じ。
でも、そうも言ってられなくなった。
和奏の家出て、自宅とは正反対に向かう。
遠くて面倒ではあるが、下手に近くにして和奏に見られたら、そっちの方が最悪だ。
「あっ…月島君。来てくれたんだね。」
家からも、学校からも近くない公園で1人の女の子が待っていた。
「手紙…くれた人?」
「そうです。私…隣のクラスの…。」
所謂、呼び出して告白…という奴だ。
同じ学校に彼女が居るからと、気を利かせて休みの日に呼び出したつもりだろうが、
これから合宿に出発する忙しいタイミングだなんて…全く気付いてないんだろうなぁ。
「好きです。よければ、付き合って下さい。」
別の事を考えてたせいで、全く聞いてなかった。
まぁ、真面目に聞いたからと言って、返答が変わるはずもないんだけど。
「気持ちはありがたいけど…僕、彼女が居るのは知ってるよね?他の人と…ってのはちょっと考えてないんだ。ごめんね。」
あまり冷たくならないように意識する。
気持ちはありがたい…どころか、迷惑だとさえ思う。
何で彼女が居るとわかっていて告白なんてするんだろう。
こちらの迷惑をもう少し考えればいいのに。