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【ハイキュー!!】月夜に吹く風 R18

第2章 軽風


「そう…だよね。ごめんなさい。聞いてくれてありがとう。」

聞き逃してしまったので、名前すらわからない女の子が泣きながら去っていった。

はーっと長い溜息が漏れる。

まぁ、こんなもんでしょう。

「ツッキー?」

ふいに背後から名前を呼ばれて、女の子が去って行ったのとは正反対の入り口に目を向ける。
まぁ、目を向けるまでもなく、呼び方で誰かはわかるんだけど。

「山口…何してんの?」

「あっ、俺?実は合宿に持っていく歯ブラシが無くてさ。慌てて買いに行ったところ。」

小振りな白いビニール袋を掲げながら、山口が公園に入ってきた。

「ツッキーは…また告白?最近凄いね!」

「それ、全然嬉しくないんだけど。」

何だか、自分で思って居るより疲れているのか、
ドサっとベンチに腰を下ろした。

「あー…、皐月さんの事?まだ続いてるの?」

「まだ…って言うか、突発的なものだから。いい加減、僕も面倒になってきたけど…和奏が一番大切だから。」

僕が面倒くさがりながらも、告白の呼び出しに一々応じているのは理由がある。

和奏への嫌がらせだ。
いや、正確には未遂だけど。
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