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【ハイキュー!!】月夜に吹く風 R18

第8章 玉風


怖い顔して座る俺を見下ろして居たのは、烏野のセッター君だった。

「何…してたんすか?」

こんな奥まった所まで用事もなく来るとは思えないから、和奏を探しに来たのだろうけど…。

「え?覗き見してたんじゃないのー?見たまんまだよ?」

「だから、あいつの事抱き締めて何してたのかって聞いてるんです!」

あっ、結構本気で怒ってるやつね。
別れたと言っても、まだ和奏の事が好きなのだろう。
ってか、そうじゃないとわざわざ探しになど来ないか。

「ちょっと落ち着きなよ、セッター君。」

「影山…です。」

俺の呼び方が気にくわないのか…なかなか生意気な態度で嫌いじゃない。

「影山君ね。影山君はさ…和奏が嫌がってるように見えた?」

「それは…。」

正直、どこから見てたかにもよるけど、言葉を詰まらせている様子を見た限り、序盤の無理矢理感溢れるやり取りは見ていないんだろう。
俺には好都合だ。

「和奏の事狙ってるのは影山君だけじゃないんだよねー。和奏もさ、ツッキーや影山君達との幼稚なやり取りに疲れて、俺みたいな包容力溢れるタイプが気になってんじゃない?」

なんてのは、俺の勝手な願望。
でも、影山君には効いてるのか、何も言えずに怖い顔で黙り込んでいる。

「それにさ…影山君は今は和奏の彼氏でもない訳だし…文句言うなら筋違いだよ?羨ましかったのなら、自分もやれば?和奏に拒否られない自信があるならだけど。」
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