第7章 青嵐
「なんだよー。先輩が折角相談に乗ってやろうとしてるんだから、甘えろよー。」
「相談に乗ってくれるって…あんな事しといて、まさか蛍と上手くいけばいいと思ってるんですか?だとしたら…悪趣味過ぎます。」
私と蛍が仲直りして…その上で、蛍に隠れて昨日みたいな事をしたいというのが木兎さんの望みなら、死んでも叶えられそうにない。
「いや…俺もそこまで悪趣味じゃないよ。和奏の本当の望みがツッキーと仲直りする事なら、それを応援してもいいと思ってる。ただ…和奏は今のツッキーとの関係性に満足してるとは思えないから…付け入る隙があるなら、しっかり付け入って俺の物にしたい。」
言っている事は無茶苦茶だが、そんなにハッキリと胸を張って言われると…一瞬固まってしまう。
本当に木兎さんのペースに乗せられている…。
これではダメだと、こちらもハッキリと胸を張って伝える。
「私の望みは蛍と仲直りする事です。」
「それだけどさ…、ツッキーと仲直りしたいって…今の遠慮して何も言えない関係に戻りたいってこと?」
「え…?」
木兎さんの一言一言に虚を突かれる。
遠慮して何も言えない関係…。
呆れられるのが怖くて、ヤキモチを妬いている事も伝えられない…そんな関係。
無自覚なのもいい加減にしなよ…そう怒った蛍を思い出すと、おさまっていた涙が再び溢れだした。