第6章 寒風
「あっ…あぁ…けい…けい…。もぉ…お…ねがい。イキたい…の。」
この気持ち良さを終わらせたくなくて、何度も寸止めをする。
終わってしまうと和奏が居なくなるかも…そう思うと…怖くて終われないのかもしれない。
ねぇ。和奏、僕の側にいてよ。
そのためなら、何だって出来るから。
だから、僕は一番ずるい方法で君を縛り付ける。
「ねぇ、和奏。イカせて欲しいなら、今日のお仕置きのお礼を言いなよ。すぐに他の男に尻尾を振る淫乱な和奏を躾けてくれてありがとうございます。って。ほら、言いなよ。」
和奏が自分からこの行為を求めたと言う既成事実。
それがあれば、和奏の性格的に僕にも王様にも申し訳ないと思ってしまって、すぐに僕と別れたり、王様と付き合ったり…出来ないだろう。
「やぁ…もぉ、おかしく…な…ちゃうの。」
「そうだね。一層、壊れてしまえばいいのに。」
本当に…壊してしまって…僕から離れられないようにでもしてしまいたい。
「や…蛍!言う。言うからぁー。」
そんな事、和奏は許さないだろうけど。
「あ…。和奏を…。」
「違うでしょ?すぐに他の男に尻尾振っちゃう淫乱な和奏でしょ?」
「ほ…かの男の人に…尻尾を振っちゃう…い…ぃ…淫乱な…和奏を…躾けてく…れて、ありがと…ございます。」
涙を流してこちらを見る和奏。
今この時間は和奏の瞳に僕しか映っていない事を確認して、満足感を覚える。
「これからしっかり躾直すから、そのつもりで居てよね。」
これからも君を手放す気なんてないから。
そのつもりで居てよね。
意識を手放した和奏の額にキスを落とす。
「ごめん、和奏….。」
こんなに弱い僕で…。