• テキストサイズ

【ハイキュー!!】月夜に吹く風 R18

第6章 寒風


和奏はすぐに見つかった。
体育館から出てすぐの所で梟谷のマネージャー2人に囲まれている。

「あっ…私は…。」

何かを断る様子の和奏に期待した。
僕と同じように和奏も僕と話したい事があるんじゃないかって。

「あっ、わかった!彼氏と約束があるんでしょ?あの烏野の眼鏡の子!」

「あ…いや…」

は?違うの?
僕じゃないなら、誰と会うつもりだよ?

先程まで考えていた和奏と王様が並ぶ姿が思い浮かぶ。

本当に…いい加減にしなよ。

「そうなんです。ちょっと僕が用事があって…皐月をお借りしてもいいですか?」

このまま王様の所へ見送る訳にもいかないから、3人の話に割って入る事にした。

「きゃー、お迎え!?どうぞ、どうぞ!何だったら夜も遅くても誤魔化しとくよー!」

「羨ましいんですけどー。あとで話聞かせてもらうからね!」

ハイトーンの話し声は耳障りだけど、話の通じる人達でよかった。
でも、それより気になる事があるんだけど。

梟谷の2人組が去って行く。

「和奏、今時間もらえる?」

ねぇ、なんで和奏はそんな困った顔をしてるの?

「あっ、うん。私もね…蛍と話したいなって思ってて…。」

別に取り繕わなくていいよ。
あいつと…王様と約束があったんでしょ?

居てもたってもいられず、和奏の手を強引に引っ張り歩き出す。

「蛍…どこ行くの?」

「男子部屋。この時間帯なら、みんな自主練に夢中で部屋には誰も戻って来ないから。」

正直、場所なんてどこでもいい。
早く和奏と2人きりになりたい。

「でも、勝手に入って怒られないかな?それに…もし途中で誰か戻って来たら?」

さっきから後ろで言い訳じみたことを喋り続ける和奏にイライラする。

そんなに僕と2人で居るところを、あいつに見られたくないの?

「ねぇ、さっきから煩いんだけど。誰か戻って来たら、見せつけてやればいいよ。それとも和奏は外でヤリたいの?他校生にも見られたいとか…?」

見せつけてやればいい。
王様にだって…それで、和奏と王様がうまくいかなければいい。

酷い事を言ってるのはわかってる。
でも…僕から逃げようとする和奏の方が酷い。
/ 137ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp