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【ハイキュー!!】月夜に吹く風 R18

第5章 黒風


目が覚めると、マネージャー達のいる女子部屋だった。

「あ…れ?私…」

慌てて自分の格好を確認するが、先程までと同じジャージで着崩れた様子もない。

まさか…夢?

「あっ、和奏ちゃん!目が覚めたんですね?」

仁花ちゃんが寄ってくる。

「和奏ちゃん、移動のバスで寝れなかったみたいで、話してる最中に寝ちゃったからって、彼氏君がここまで連れて来てくれたんだよ。」

「しかも、お姫様抱っこ!!」

梟谷のマネージャー達が、その時の様子を演じながら説明してくれる。

そ…か。
蛍がここに運んでくれたのか…。
じゃあ…さっきのは…。

残念ながら夢じゃないことは、身体の異様なダルさが教えてくれる。

なんだか…泣きそうだ。

「和奏ちゃん、大丈夫?動けそうなら、食堂に夕食残してあるから…。」

潔子先輩が心配そうに覗き込んでくれる。

食欲など全くないが、ここに居たら皆に心配を掛けてしまう。

「本当ですか?実は腹ペコで…ちょっと行って来ます!」

布団から勢いよく起き上がる。

「あっ、和奏ちゃん!私も一緒に行きましょうか?もう暗いですし…。」

仁花ちゃんが、青くなりながら言っている。
お化けの心配でもしてるのだろうか。

「ありがとう。でも、私は大丈夫だから、潔子先輩についててあげてね!」

そう言うと、わかりました!と勢いよく敬礼をしていた。

あははっと笑いながら、賑やかな部屋を出る。
外の廊下は真っ暗で…今の私の気持ちみたいだ。
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