第4章 順風
「だって、そうだろ?皐月ちゃんっていつもツッキーに遠慮してさ、顔色伺ってんじゃん。」
「そんな事ありません!」
足を止め、クルっと皐月ちゃんの方を振り返れば、小動物が何かを威嚇するように一生懸命こっちを睨んでいる。
「じゃあ、わがままもちゃんと言えてる?」
「言えてます!」
必死な様子が可愛すぎて、虐めたくなる。
「ふーん。じゃあ、隠し事もせずに何でも打ち明けられる?」
「隠し事なんてありません。」
「本当に?」
「本当です!!」
そんなに可愛いのは反則でしょ。
本当…我慢の限界だから。
すこしつまみ食いさせてもらおう。
「ふーん。じゃあ、コレも?」
皐月ちゃんを校舎の隅に引き込んで、
驚いている顔に口付けを落とす。
キスなんて可愛らしいやつじゃなくて、
酸欠で立っていられなくなるくらい濃厚なやつ。
クチャクチャと水音が響いている。
皐月ちゃんの舌は、俺から逃げ回ろうと可愛い抵抗を続けているけど、それがまた俺をやる気にする。
すぐにそっちから求めてくるようになるのに…可愛すぎる。
本当はちょっとつまみ食いだけして、からかって終わるつもりだったんだ。
でも…キスしながら皐月ちゃんと目があった瞬間にそんな気無くなった。
目に涙を溜めながら、こちらを睨んでる瞳を快楽に溺れさせてやりたい。