第4章 順風
絶好調のままに自主練も終えて、食事、入浴もサクサク終わらせ、部屋に向かう。
合宿と言えば、夜の時間もお楽しみの一つだ!
チームメイトの恋話や、エロい話で盛り上がるのは定番だろ。
1人でご機嫌に歩いていると、ふと食堂に明かりがついたままなのが見える。
「まーだ誰か片付けてるのか?それとも…つまみ食いとか?」
つまみ食いしている奴がいるなら、仲間に入れてもらおうと方向転換して食堂に向かう。
「あれ…木兎さん、お風呂上がりですか?」
食堂に着いた俺を不思議そうな顔で出迎えたのは皐月ちゃんだった。
「おう。皐月ちゃんは?こんな時間に1人で食堂で何してんの?」
つまみ食いをしている様子は無さそうだけど、寝る前に皐月ちゃんに会えるなんて、俺ラッキー!
「私は明日の朝食の準備を…少しやっておこうかと思って。まだ眠くもないですし。」
その様子にピンと来る。
ツッキーと何かあったんだな。
「じゃあ、何か飲み物でも買いに行かない?こんな所に居るより、外の方が気が晴れるだろ。」
俺の言葉に皐月ちゃんが少し驚いた顔をする。
何で落ち込んでるってわかったんですか?ってところだろう。
「木兎さんは…本当に侮れないですね。蛍が心許しているのも納得です。」
隠したって意味ないんですもんねぇ。と、面白そうに笑い出す皐月ちゃん。
確かに今は頼れる先輩だと思われてる方が好都合だろう。