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【ハイキュー!!】月夜に吹く風 R18

第3章 恒風


色々嫌な想像をしてしまっているうちに、
合宿の集合時間が近付いている。

今なら…。
今連絡したら、蛍が迎えに来てくれるのにも間に合うだろう。

でも…今、蛍と会って普通に出来る?
合宿前に喧嘩なんかして気まずくなるのは避けたい。

それに、告白なんて蛍のせいじゃないのに、
勝手にヤキモチを妬いて、重たい奴だと思われたくない。

蛍は私を好きだと言ってくれたけど、
こんな心の狭い私に、今頃後悔しているかもしれない。

結局、蛍には連絡出来なかった。
学校まではすぐだし、1人で向かっても特に困る事はないだろう。

大丈夫。
知らなかった事にしよう。

私との時間を切り上げて向かった先が、女の子からの告白だった事。
氷点下どころか、物腰柔らかそうな雰囲気で対応してた事。

私は何も知らない。

家を出て、1人暗い道を歩いていると何故だか涙が込み上げてくる。

蛍に嫌われる事を恐れて、何にも言えない自分になっている。

これじゃ…付き合う前と一緒だ。

蛍に身体を求められて、
嫌われるのが怖くて、
ずるずると関係が続いていたあの頃と。

「おい。皐月、お前…1人なのか?って…泣いてんのか?」

後ろから声を掛けられビクっとなる。
よく聞き覚えのある声だった。

私が弱っている時に側にいるのは、
なんで、いつも影山くんなんだろう。
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