第3章 恒風
ブッブッと続けて2つのメッセージを受信する。
[つい先程、駅前へ行く途中にある公園で、月島君が女の子に告白されていました。女の子は泣いていたので、当たり前ですが、お断りした様子でした。]
というメッセージが1つ目。
もう1つは、公園で女の子と向き合う蛍の写真。
写真を眺めて、色んな感情が交錯した。
用事って…コレ?
仁花ちゃん…隠れて写真撮ったのかな?スパイみたい。
これ、私の家や蛍の家からは結構離れた公園だな。
面倒くさがりの蛍が…こんな離れた所まで呼び出しに出向くとか…。
蛍はまた女の子泣かしてるのか。
この子…後ろ姿だけど、きっと隣のクラスの子だ。
小さくしか写ってないが…蛍の雰囲気が想像してたより優しい。
嫌だ…。蛍を私から取り上げようとしないで欲しい。
ブっと三度携帯が鳴って、意識を引き戻された。
[余計な報告だったらすいません!]
何だか、メッセージを通しても、
青くなってる仁花ちゃんを想像出来る。
[ううん。教えてくれてありがとう。蛍も合宿前にご苦労な事だね。]
ハラハラする心臓を落ち着けて、
メッセージを返信した。