第3章 恒風
家で蛍を見送ってから、
早速、仁花ちゃんにメッセージを送る。
[今日の夜、一緒に行かない?]
最後の荷物チェックをしている時に、
ブっと短く受信音がなる。
[実は集合前にお母さんと外で食事をして、そのまま行く予定なんです。せっかく誘って貰ったのにすいません!月島君は一緒じゃないんですか?良かったら、迎えに行きますか?]
仁花ちゃんらしいメッセージだ。
[お母さんと一緒なら気にしないで。私も蛍に迎えにきてもらうことにするから!]
先に合宿の用意を終わらしてしまおう。
蛍へ連絡するのは、もう少し遅くなってからでも十分だろう。
これから合宿で2人で会える時間は減るだろうし、
蛍には少しだけ遠回りをしてもらう事になるが、
一緒に行けるのが嬉しかったりもする。
ブっとテーブルの上で再び携帯が震えた。
仁花ちゃん…?
あんなメッセージにも返信をくれるなんて、本当に律儀だなぁ。
メッセージを開くと、想定していたより長文だった。
[あの…言わない方がいいかなぁとも思ったのですが、前に和奏ちゃん気にしてたので…。特に問題ないかとは思うのですが…]
1つ目のメッセージはここまで。
何の話かわからないし、返信のしようがないから、
仁花ちゃんからの次のメッセージを待つ。
何だか、嫌な予感がしながら。