第2章 軽風
「ねぇ…どういうつもり?」
こちらをチラッとだけ確認して、清水先輩のところへ行ってしまう和奏。
谷地さんも僕の様子を伺いながら、ゆっくりら後ずさりして和奏と清水先輩に合流した。
仕方がないから、王様に話し掛けた。
「どういうつもりって、こっちの台詞だろうが、ボゲェ。こんなに遅い時間の集合なんだから、彼氏なら迎えに行ってやれよ。」
和奏から連絡が来ていないなど、
プライドがあるので言えるわけがない。
特に王様には。
チラッと和奏の様子を確認すると、
和奏も気まずそうにこちらの様子を伺っている。
和奏は何を考えているんだ…。
全員集合したという事で、順次バスへの乗り込みが始まっている。
本当は和奏の隣を陣取って、
じっくり理由を聞き出したかったが、
和奏は早々に清水先輩と谷地さんと一緒に最後列に座ってしまった。
仕方なく山口の隣に座ると、山口が恐る恐る覗き込んでくる。
「ツッキー、大大丈夫?」
その様子が過去の記憶とデジャブする。
そうだ。
前回の合宿の時も最悪の気分でバスに乗ってたんだ。
真っ暗で外が見えない車窓を眺めて、
何だか大変な合宿になりそうな気がしていた。