第2章 軽風
で…、何でこうなっているんだろう?
集合場所の学校に着いた時に、谷地さんが先に着いているのに、
和奏の姿が見えないから不思議に思った。
「ねぇ、和奏は?谷地さんと一緒に来るって聞いてたんだけど。」
普通に話し掛けただけでビクビクしてる谷地さん。
和奏は繊細な子なのだと言っていたが…果たしてこれは繊細の範疇だろうか?
「あ…の、私は母と寄るところがあって…。和奏ちゃんは月島君が迎えに来てくれるから平気だって…。」
いや、何の連絡も貰ってないんだけど。
見落としたのだろうか?
慌てて携帯を確認するが、メッセージも着信も一件もない。
「あ…来ました…。」
谷地さんがそう言ったので、顔を上げると、先程以上に青い顔をしている。
何でそんなに青くなる必要が…。
口には出さないが、心の中でだけ呆れ気味でツッコミを入れる。
ただ、和奏の状況を確認して、谷地さんが青くなった理由がすぐにわかった。
僕も谷地さんの事を馬鹿に出来ないくらい間抜けな顔をしているだろう。
「何で…」
何で和奏と王様が一緒に来てるのさ。