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【ハイキュー!!】月夜に吹く風 R18

第15章 花風


「そう思ってるなら…僕の事振り払ってみせてよ。」

そんな同情で惑わせずに、ハッキリと不要だと言ってくれた方がいい。

「違うの。私…あんな事して、蛍の事傷付けて…今更、こんな事言う資格ないのはわかってる。でも…蛍が好き。誰よりも…蛍だけが好き。」

ほら…願望が幻聴になって聞こえてきてる…。
和奏が本当はなんて言ったのか、理解できなかった。

「今…なんて言った?」

「蛍が好き…。許して貰えるなんて思ってない。でも…どうしても伝えたかった。」

え…?
なんて言った?

「もう一回…言って。」

「本当にごめんなさい。」

「そこじゃない。」

もう一回、和奏の口から聞かせて欲しい。
僕が心の底から望んでいた言葉。

「蛍が好き。」

嘘じゃ…ないよね?
今、僕のことを好きだと言った。

思わず和奏をキツく抱きしめる。

「和奏。和奏、好きだ。」

「蛍…。私、本当にごめんなさい。」

和奏が僕を好きだと言ってくれている。
どうしようもない程嬉しい。

でも…じゃあ、木兎さんの事は…?

本当はこのまま…押し倒して、死ぬほど愛したいけど…聞かない訳にはいかないだろう。

「木兎さんの事は…好きじゃないの?」

願望を込めて否定形で聞く。
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