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【ハイキュー!!】月夜に吹く風 R18

第15章 花風


「はー。それって王様に関係あるの?ってか、バスに乗る前にみんな騒いでたから、僕と和奏が別れたのも聞いてると思うけど?」

僕も王様の顔なんて見たくもないから、窓の外に視線を向ける。
まぁ、暗くて自分の顔と王様の横顔が反射して見えているんだけどさ。

「別れた事は皐月から聞いた。」

…そう。

いや、僕には関係ないけどさ…。

でも…面白くない。

「あっそ。なら、なおさら僕に何の話があるのさ。」

「木兎さんの事で皐月に対して怒ってるのかもしれないけど…あいつの話を聞いてやる気はないのか?」

は?
木兎さんの事まで和奏から聞いてるの?

思わず視線を窓から王様にうつすと、向こうもこっちを見ていた。

近距離で目が合うとか…気まずい。

「話し合う意味も、必要性もわからないんだけど。」

和奏が王様に全部話してる意味もわからない。

「俺は…こんな事の為に和奏と別れたわけじゃない。」

「は?何が言いたいの?」

しかも、ちゃっかり和奏の事名前で呼んでるし。

「俺はお前のこと…性格が最悪だと思ってる。でも、和奏が月島と向き合いたいって言い出した時は止めなかった。悔しいけど、俺といるよりお前といた方が、和奏が幸せな気持ちになれると思ったからだ。」

「今更、何の話してるのさ?」

今更、そんな過去の話を蒸し返しても仕方がないのに。

「だから、俺は和奏は木兎さんなんかより、お前といた方がいいって信じてる。その方が和奏は幸せだって…。でもお前がそんな感じなら…俺も譲る気ないから。木兎さんより、俺の方が和奏の事大切に出来る。」

王様がこっちを真っ直ぐ見据えて言ってくる。
その意思の強い視線に、思わず何も言えずにいると、王様が視線を前に戻して言葉を続けた。

「だから、和奏がまだお前に話があるって言うなら、聞いてやれよ。それでお前がどんな気持ちになるかなんて、俺は知らねぇ。でも、和奏に心残りがあるのは俺は嫌なんだよ。…もう、話し終わったから寝る。」

言い終わると目を瞑って、3秒でイビキを立て出す王様に深いため息が出る。
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