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【ハイキュー!!】月夜に吹く風 R18

第14章 涼風


「ダメです。今日は木兎さんに話があって来てもらいました。」

…そう。
ツッキーと別れたから付き合って下さいって話じゃない事だけはわかった。

「もう、それ以上は聞きたくないんだけど。無理矢理でも抱きしめようか?」

傷付いてるくせに、1人で寂しいくせに強がるなよ。
本当に無理矢理抱きしめようかと思う。
嫌われても、和奏が少しでも笑ってくれるなら、その方がいい気がする。

「わがまま言って…振り回してすいません。蛍にはフラれてしまったけど、私は蛍を諦められません。だから、木兎さんとは、もう個人的には会いません。連絡も取りません。」

うーん。
思ったより頑なに決意しちゃってる感じ。

でも、これくらいで引き下がるなら、元々ちょっかいかけたりしてない。

押してダメなら、引けって言うだろ?
まぁ、引くのは得意じゃないけど…背に腹は変えられないってやつ。

「昨日、和奏が…和奏ちゃんがツッキーを追い掛けて行った時から、こうなるだろうと思ってたよ。心ゆくまでツッキーを追い掛けたらいいよ。でもさ、疲れたら俺に戻ってくるのは?ありじゃない?」

んっと両手を広げる。
飛び込んで来て欲しいと祈るような気持ちなのは、和奏には知られたくない。

「すいません。それだけは絶対にないです。」

真っ直ぐこちらを見ながら言い放つ和奏。
昨日の夜、ツッキーを追い掛けると言った時と同じ目。

…これは、結構凹んだ。
押しても、引いても、絶対にないと言われたんだ。

しょんぼりと丸くなりそうな背中を強がりだけでピンと張って、笑ってやる。

「あーぁ。素直な和奏ちゃんも可愛かったのに。でも、つれない和奏ちゃんも元から好きだけどね。じゃあ、これ以上話すこともないし、お腹も減ったから、俺、朝食行くな。」

最後の方は早口で…強がってるって和奏にバレてる気がする。

ってか、何お辞儀で見送ってんだよ!
完璧にバレてるじゃん…。

あぁ…俺、今ダセぇ。
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