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【ハイキュー!!】月夜に吹く風 R18

第14章 涼風


校舎の壁にもたれて深呼吸をする。

試合の前くらい集中出来ているのがわかる。

大丈夫。まだ何とかなる。
ここで手放すなんて無理。
絶対に手に入れる。

待ち合わせ時間通りに現れた和奏の様子に、大丈夫と言い聞かせた自信が初っ端から揺らぐ。

そんな…殴り合いの喧嘩しに来たような顔しないでよ。

「昨日はツッキーと話せた?酷いことされなかったか?」

少しでも和奏の強張った顔を緩めたくて、わざと軽い感じで切り出すことにした。

当然、昨日の別れた後の様子に探りを入れたいのもあるけど。

状況によって、どう攻めるか変わってくるだろ。

「蛍には…別れて欲しいと言われました。」

……。
思っていたより、悪くない状況じゃん!

これ、逆転ホームランありえるやつでしょ!

でも、和奏にそんな寂しい顔させるなんて、やっぱりツッキーはダメだな。
お子様だからなぁ…。

「和奏、抱きしめていいか?なんか、和奏がここから居なくなりそうで怖いんだけど。」

早く俺の腕の中においで。
ぎゅーって抱きしめて、超癒してやる!

俺の言葉に難しい顔を崩さない和奏に徐々に心配が積もっていく。
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