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【ハイキュー!!】月夜に吹く風 R18

第14章 涼風


「んで、木兎の奴はなんでそんなに荒れてるわけ?」

夜、第三体育館での自主練中に黒尾くんが面白そうに聞いて来た。

「うるさいなぁ。黒尾君には関係ないでしょ。」

「失恋が原因のようです。」

って、おい!
赤葦、何を勝手に答えてんだよ!!

「あー、何?木兎、フラれたの?って事はツッキーと皐月さんは丸く収まった感じ?」

黒尾君の嬉しそうな感じがムカつくから、無視を決め込む。

「どうやら、そっちも上手く行ってないのにフラれたみたいです。」

「ちょっと!赤葦!さっきから何勝手に答えてんの!?」

思わず振り返れば、ニヤッと悪人ヅラの黒尾君が笑っている。

「木兎、フラれ損じゃん。ダセー。」

「黒尾君の馬鹿!何で俺がフラれるんだよー。」

「…がっつき過ぎじゃねぇの?」

「….ですね。」

黒尾君!赤葦!
何で満場一致してんの?

もうイジケモード通り越して、本当に悲しくなって来た。

「まぁ…相手が悪かっただろ。あの2人は結局、お互いしか見えてねぇよ。たまに謎のすれ違いが起こるけどな。」

「あんなに付け入る隙満載だったのに…。」

「付け入る隙とか言ってるからダメなのでは…?あっ、すいません。木兎さん。」

俺の睨みにようやく赤葦が謝ってきた。

まぁ、和奏とツッキーがお互いしか見えてないのは知ってた。
お互いしか見えてないから、すれ違ってたんだ。

そして、ツッキーを一途に見つめる和奏の事を好きになったんだ。

「まぁ、そんなに気を落とすなよ。合宿終わったら可愛い子集めて合コンしてやるから。」

ん?
合コン??

「黒尾さん、何だかすいません。」

「いや、俺も木兎紹介しろって煩いメス猫達がさばけて助かる。」

俺を紹介して欲しい…可愛い女の子。

「それって…俺が主役って事!?」

「…そうだっつってんだろ!」

俄然やる気が出てきた!!

「赤葦!スパイクすんぞー!トス上げろ!!」

「はい、木兎さん。」

単純かよ。なんて呆れてる黒尾君に早くコートに入るように催促する。

しばらくは大好きなバレーと、適当に遊べる女の子。
そのうち、心にポッカリ空いた何かを埋めてくれる物にまた出会えるだろう。
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