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【ハイキュー!!】月夜に吹く風 R18

第13章 雄風


「ここに…いるのは偶然。たまたま。身体動かし足りないから、少し走ろうかと思ったら皐月が泣いてるの見つけて…でも、何で泣いてるかはだいたいわかる。」

じっとこっちを見る影山君から目が離せない。

きっと、私が蛍とまだ仲直り出来なくて泣いてるって思ってるんだ。

喧嘩していたのは…一目瞭然だろうし。

でも…違う。
もう、仲直りは出来ないんだ。

「影山君にはわからないよ。」

別に影山君は悪くない。
いつも、心配してくれて感謝している。
だから…これは完全に八つ当たりだ。

「わかってる…つもりだ。でも、一つだけ確認したい事がある。皐月の気持ちだ。お前…月島と木兎さん、どっちが好きなんだ?」

相変わらずこちらを見つめている影山君の予想外の言葉に固まる。

なんで…知ってるの?

私の言いたい事が伝わったのか、影山君は小さく頷いた後に言葉を続けた。

「前に…見ちまった。皐月と木兎さんが抱き合ってるところ。」

少し気が遠くなる気がした。

誰にも…知られちゃいけない事なのに、
蛍どころか、影山君にまで見られていたなんて…。

どれだけ自分が浅はかな行動をしていたのか、今更ながらに思い知らされる。
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