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【ハイキュー!!】君を騙す方法 R18

第11章 自分に素直になる方法


結局、そう言う事なんだ。
木兎さんと真剣に向き合えて無かったのは…私自身だ。

なのに…真剣に向き合ってくれなかった木兎さんを責める資格なんてない。

だから、木兎さんに会いたく無かったのだ。
会ってしまえば、選ばないといけない。
許すのか、許さないのか…。
真剣に向き合っていなかった私には、どちらも選べないのに。

ブーッブーッと携帯が震え出す。

木兎さんだ!
そう思って携帯を手に取ると、予想外な人の名前が表示されている。

[黒尾 鉄朗]

なんで…?
もしかして、木兎さんに何か聞いたのだろうか?

でも、まだ学校の時間…。
そう思って時計をみると、とっくに放課後に突入していた。

昨日のキスの事だろうか…?
それとも木兎さんの…?

本心は黒尾先輩と話したいだけだという事は気付かないフリして、
話してみなくてはわからない!と、自分に言い訳しながら通話ボタンを押した。

「もしもし…黒尾先輩?」

電話越しに黒尾先輩の吐息が聞こえて、それだけで心拍数が上がった。

「突然、悪りぃ。体調大丈夫か?ちょっと話したいことがあって…今、和奏の家の前まで来てんだけど。」

え!?
家の前って…。

慌てて部屋の窓を開けると、宣言通り玄関の前に立っている黒尾先輩が居る。

「思ったより元気そうで良かったよ。ちょっと…出て来れるか?」

姿を見ただけで…こんなに簡単に気持ちを持って行ってしまう黒尾先輩はズルい。

黒尾先輩の申し訳なさそうな様子から、昨日のキスの事について話に来たのだとわかって、ホッとした。

良かった…。
黒尾先輩から木兎さんの話なんてされたら…心が引き裂かれてしまう気がする。

「あ…の、黒尾先輩と話すことはありません。昨日の事だったら、気にしないで下さい。」
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