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【ハイキュー!!】君を騙す方法 R18

第6章 簡単なお別れの伝え方


どこが…笑顔だよ…。

そこには玄関から出た途端に、涙ぐみしゃがみ込んでしまった和奏が居た。

彼女に感じていた仲間意識。
和奏も何かの役割を演じているのだろうと思っていた。

今、あそこで涙している彼女が、本物の和奏なら…。
さっき、俺の前で見せた笑顔が強がりなら…抱きしめてやりてぇ。

そんな事が下手な期待を植え付けるだけだと知っているから、和奏を追いかけたりはしない。

でも…強がってんじゃねぇよ。

俺が見て来た和奏は…どこからが本音で、どこからが強がりだったんだろう。
それを言うなら…俺はどれだけ本音であいつと向き合っただろう。

俺はずっと演じ続けていた。
和奏が俺に求めていたのは、どんな役割かもわかってなかったくせに。

「だせぇ。」

これ以上泣いている和奏を見ているのは、
泣かせてしまった自分がダサ過ぎて耐えられなかった。

カーテンから手を外せば、布切れ1枚で見えなくなる和奏の姿。

こうやって…見ないフリして来た事がどれくらいあるだろう?
知ってしまうとカッコつかないからって、知らないフリをし続けて来た事…どれくらいあるだろう。
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