第2章 ~服を纏えば、隠せたのに~
麻衣「私もね、小さい頃に両親に捨てられたの。跡継ぎにならない娘なんて、捨ててしまえばいい…って」
一期「…………」
麻衣「捨てられる悲しみは、他の誰よりも分かるよ……だから、私はみんなを捨てたりしない。捨てられないよ…私には、ここしか居場所がないから」
捨てられた私を受け入れてくれるところは、ここしかなかった。
だから、私がここを離れるときは、私がここを捨てるよりも、私がここに捨てられるときだろう。
それまで、私は……
麻衣「みんなに捨てられるまで、私はみんなの主だから…」