第2章 ~服を纏えば、隠せたのに~
お風呂の準備をしていると、主の声が風呂場の外から聞こえてきた。
麻衣『一期さん?』
一期「主…?まだ、湯は沸いていませんが…どうされたのです?」
麻衣『さっき…一期さんの様子が可笑しかったから、お風呂場で倒れてないかなって…中、入ってもいい?』
一期「え…いや、あの…」
きっと主は、さっきと同じ格好をしているのだろう。
さっきは欲情していることに知られずに済んだが、次どうなるかなんてわからない。
主に入ってきてほしくないわけではないが、今は主に顔向けできるような状態ではない。
だけど、ここで「入ってくるな」と言ったら、益々主は私の心配をして、私は主の手を煩わせることになる。
一期「い、いいですよ…」
そういうと、主がゆっくりと風呂場のドアを開け、中に入ってきた。
やっぱり、主はさっきと同じ格好をしていて、心なしかさっきより服がはだけている。
麻衣「やっぱり、熱あるんじゃない?さっきより顔真っ赤だよ?」
主が背伸びをして、私の額に手を当てる。
体は濡れているのに、手はとても暖かくて、心地がよかった…でも、それどころではなかった。