第5章 弱みを握ってください
「彼が王子であることです」
「あ…あの店では王子という事を隠しているからですか?バレたらって事ですか?」
ローゼンベルク伯爵は頷いた
「バレたら大変ですしね…私はその事に気づくと思っていたのですが…残念です…」
「リヒト王子をどうするんですか?バラすんですか?」
ローゼンベルク伯爵は頷いた
「そんなのダメです!!リヒト王子は楽しそうに働いています…」
「だからなんです?内緒でこんなことをして…里奈さんあなたが王室教師としてきた目的…お忘れですか?」
「忘れてはいません…しかし…」
「里奈さん…次はありませんよ?」
里奈は唇を噛みしめた
(ローゼンベルク伯爵様…逆らったらどうなるか…ローゼンベルク伯爵様の事は好き…でも…)