第5章 弱みを握ってください
「リヒト王子!」
「しっ!ここでは王子って事は内緒なんだ」
「あ…そうですよね…王子ってわかったら問題ですもんね…ごめんなさい」
里奈は頭を下げた
「里奈っち!また来てね!今度はお財布を持って!」
「はい!その時はまた美味しいコーヒーお願いいたします」
リヒトは頷いた
里奈は笑顔で店をあとにした
「コーヒー美味しかったですか?」
「はい!…ローゼンベルク伯爵!?」
ローゼンベルクは里奈を鋭い目つきで見つめた
「弱みは握れましたか?」
「あ…いえ…リヒト王子は仕事は手際よく行っていました…弱みというものはありませんでした」
「弱みはあるではありませんか…」
「え?」