第9章 一生のお願い
「お願いします!!!」
「……無理。」
「そんなこと言わずに〜澪子氏〜
頼むよー。一生のお願いでござる。」
「絶っっ対に、嫌です。」
目の前で土下座して俺に懇願する
土方副長…いや、今の彼は
トッシーと言うべきか。
とにかく、トッシーはいつものように
俺に女装を強要し、写真を撮った後、
俺に土下座してきた。
しかしその土下座の理由は
嫌に明確でかつ受け入れ難いものだった。
「お願いです!
1回でいいからハメさせてください!」
「……本気で殺しますよ?」
今日の服装はわりと普通の女装だ。
パーカーにホットパンツ、
ハイソックスだなんて
動きやすいことこの上ない。
俺の精神も比較的安定する。素晴らしい。
……いや、この際、衣装はどうでもいい。
それよりもトッシーの発言の方が問題だ。
「お願いします!本当にお願いします!!
先っぽだけでいいんで!」
「…何?先っぽって……キモッ」
俺がドン引きの顔をすると、
トッシーは顔を赤らめた。
「そ…その目…ッ興奮するでござる…ッ!
もっと僕を見て!その蔑んだ目で!もっと!」
「副長の顔でそれ言うの
やめてもらってもいいですか。」
顔は副長なのに中身は全くもってヘタレだ。
そしてヘタレの癖に
よく盛り、よく勃つ。
オタクってこんなに家の中にいて
アニメとマンガとフィギュア
しか見てないのに、
なんで盛るんだろう。
トッシーはプラスして謹慎処分だし、
ぶっちゃけ生きてる価値はあるのかな。
「頼むでござる…
もう、妄想だけでは
物足りないのでござるよ……。
イッても虚しくなるだけでござる…。」
「いや、知らないし…
てか、俺で抜かないでください……。」
俺がため息をつくと、
トッシーが顔を上げる。
「君で抜く……そうか!その手があったか!」
何か思いついたらしい。
もうどうでもいいから
トイレで勝手にやってくれ。
なんで上司の下世話な話を
聞かなきゃいけないんだ。
「澪子氏、分かった。
お願い事を変えよう。
………君の足を貸してほしい。」
「…足……ですか?」
「ああ、できたらその、裸足がいいかな。
ベットに座って……」