第8章 イキスギ
「………ねぇ、澪。」
「何?」
いつものようにいつもの部屋に来て、
いつものように澪が浣腸をしてから
いつものように澪を押し倒した。
でも、あのオシオキの一件から、
俺は澪に新しいものを
試せずにいる。
「今日は……ちょっと新しいのに、」
「やだ。」
これだけはどうしても一点張りでダメだ。
俺が澪に飽きてるわけじゃないけど
どうせならいろいろ楽しみたい。
でも、澪はそれが分からないらしい。
「うーん、なんでダメなの?」
「…だ、ダメなものはダメ。いやだ。」
いつも頑なに拒否をする上に
理由は教えてくれない。
どうすれば良いか色々考えたが、
いい案が思い付かなかった。
「………退……ッ」
澪は興奮しているのか半勃ちだ。
早く抱いてほしそうに俺を見るが、
俺だって澪に試したいものがある。
「…………澪。
ねぇ、なんでダメか教えてよ。」
「……………ッ」
「………断られてばっかで、
俺、悲しいな。」
「…………。」
そう言うと、澪は俯いて黙った。
言葉を探りながら澪を諭す。
「…毎回ちゃんと澪を
楽しませようと色々準備してるのに……。
俺だって、嫌だよ。」
「……………………って………だもん。」
「…………ん?」
その言葉に澪は
小声でぼそぼそと呟く。
俺が耳を寄せると澪は
もう一度で喋った。
「………だって、退の新しいの、
いつも気持ちよすぎて、
おかしくなりそうなんだもん………。
おかしくなったら、
退に嫌われちゃいそうで、やだ……。」
「………………………ッ。」