第1章 メスイキ
(山崎視点)
「さ、澪。今日も行こっか。」
「…………う、うん。」
俺は仕事が終わった澪の手を
引いていつもの場所に向かう。
澪は柳生家が所有している
マンションの1角を潜入捜査用として
借りている。
ちなみに、2日に1回柳生家から
女中さんが来るから、
部屋はいつも綺麗だ。
実際は、俺と澪が
セックスするための
ラブホ代わりなんだけど、
家賃は折半して払ってるから問題ないよね。
部屋に入ると、澪が
口をとがらせて言う。
「………ねぇ、まだアレやるの?
次で10回目だよ?」
「やるに決まってるでしょ。
大丈夫だよ。ちゃんと後で
可愛がってあげるから。」
「………ッ、退の馬鹿。」
そう言ってにこりと笑って見せれば、
澪は顔を真っ赤にして背ける。
いつまで経っても澪はウブだ。
俺がこういえば、澪は
期待して俺の言う通りやってくれることは
知っている。
「じゃ、ほら…浣腸よろしく。」
「……ん。」
渋々と言った様子で薬を受け取って、
澪はトイレに籠る。
俺はその間にいろいろ準備する。
タオルとか、玩具とか、衣装とか。
もちろん、これから挑戦するのは
ドライオーガニズム…通称メスイキだ。
澪とは付き合って
1年半くらいになるが、
澪は後ろではイけない。
多少は後ろでも快感のようだが、
基本的に前を擦って快感を得ている。
だから、俺がいつも後ろを突いて出してから
前を擦ってやり澪もイく感じだ。
…後ろだけではイけないらしく、
いつも不完全燃焼という顔をしている。
俺のテクが悪いのかといろいろ試したが、
最終的に行き着いたのがこれだった。
澪は澪で
色々悩んでいたようで
俺が提案すると二つ返事で了承した。
……まぁ、なかなか上手くいかないから、
最近はあんまり乗り気じゃない。
でもちゃんと最後まで終わったら
抱いてやると満足するようだ。
何日かおきに誘っているが
澪が断ったことは無い。